
電動昇降デスクは良い道具ですが、全員に勧められる家具ではありません。この記事は先にデメリットを7つ全部並べてから、それでも買う価値がある人の条件を整理します。読み終わって「買わない」と決まるなら、それも正しい結論です。
デメリット① 重い・動かせない
総重量は数十kg級。「気軽に模様替えできる家具」ではなくなります。
電動昇降デスクの脚には昇降モーターと支柱が入っているため、フレームだけで20〜30kg、天板を合わせると総重量50〜70kg級になります。一度設置したら、掃除や模様替えで気軽に動かす家具ではありません。転勤・引っ越しが多い人にとっては、解体と再組み立てのたびに大仕事が発生します。搬入経路(玄関・廊下・階段)の確認も必須です。
デメリット②③ 組み立てと配線
組み立ては1〜2時間の力仕事。そして配線は「天板が動く前提」で作り直しになります。
② 組み立てが大変。重い部材を床で組んでから起こす工程があり、1人だと苦労します。電動ドライバーがあると所要時間が大きく変わります。組立設置サービス付きで買うのも1つの解です。
③ 配線が動く前提になる。天板が上下するので、電源タップやケーブルを床に置いたままだと昇降のたびに引っ張られます。天板裏にタップを固定し、床までのケーブルを1本にまとめる「動く配線」への作り直しが必要です。手順は配線整理の完全ガイドにまとめていますが、ここに数千円と半日を見込んでおいてください。
デメリット④⑤ 揺れ・電源とモーター
立ち高さでは構造上揺れます。そして電源がない場所には置けません。
④ 高くすると揺れる。支柱を伸ばした立ち作業の高さでは、タイピングでモニターが微かに揺れます。剛性の高い上位機ほど揺れは小さくなりますが、ゼロにはなりません。壁付け設置にすると体感はかなり減ります。
⑤ 電源必須・モーター音。コンセントから給電しないと昇降できないので、置き場所が電源位置に縛られます。昇降時のモーター音は会話を妨げるほどではありませんが、深夜の集合住宅では気を使う程度には鳴ります。停電時には高さを変えられないことも、一応知っておいてください。
デメリット⑥⑦ 価格・「結局立たない」問題
固定脚の3〜6倍の価格。そして多くの人は、数ヶ月後には立たなくなります。
⑥ 価格。1万円台で買える固定脚デスクに対し、電動昇降はエントリー機で3万円、本命クラスで6万円超。差額で良い椅子が買える金額です。
⑦ 結局立たない。いちばん有名なデメリットです。買った直後は立って使い、数ヶ月後にはずっと座っている——という体験談は珍しくありません。「立って作業するため」だけを目的に買うと、高確率で後悔します。これは製品の欠点ではなく、目的設定の失敗です。次の章がこの記事の本題になります。
それでも買う価値がある人
昇降デスクの本当の価値は「立つこと」ではなく「高さが自分に合うこと」です。
市販の固定脚デスクはほぼ70cm一択ですが、キーボード作業に最適な高さは身長によって63〜73cmまで幅があります。身長別の早見表で自分の適正高さが70cmから外れている人——特に小柄な人にとって、cm単位で高さを合わせられることは毎日8時間効き続ける実利です。ここに価値を感じるなら、立つ習慣が続かなくても後悔しません。
- 身長が170cmから離れている人: 適正高さが既製品の70cmとずれているほど、昇降機構の価値が上がります
- 家族で共用する人: メモリー機能で各自の高さを呼び出せるのは昇降デスクだけです
- 腰・肩の不調を姿勢から直したい人: 気分や作業内容で座り・立ちを切り替えられること自体が対策になります
表示価格は楽天の参考価格です。Amazonでの価格・在庫は遷移先でご確認ください。
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機種の選び分けはE7・EF1・E7 Proの比較記事に分けてまとめました。
買わない人の代替案
高さ70cmが合っている人は、固定脚+差額で環境を上げる方が満足度が高くなります。
身長がおおむね168〜175cmで、使う人が自分1人なら、70cm固定の1万円台デスクで姿勢は作れます。浮いた3〜5万円を椅子・モニター・照明に回すほうが、体感の改善は大きくなります。また「まれに高さを変えたい」程度なら、椅子側の昇降とフットレストで大半は解決できます。
買うと決めた人も、急ぎでなければセール時期のカレンダーを確認してからで遅くありません。昇降デスクはセールでの値動きが大きいカテゴリです。
よくある質問
賃貸の2階以上ですが、搬入や床は大丈夫ですか?
搬入は「梱包サイズが階段・エレベーターを通るか」を先に確認してください。フレームと天板は別梱包で届くことが多く、1箱あたりは成人1〜2人で運べる重さです。
床への負担は総重量が集中しないよう脚の設置面で分散されるため、一般的な賃貸の床で問題になることはまずありません。心配ならチェアマットやフェルトで保護してください。
手動(ハンドル式)の昇降デスクではだめですか?
価格は下がりますが、高さ変更のたびにハンドルを数十回回すことになり、「気軽に変えられる」という昇降デスクの核の価値が失われます。
実際の使用では高さ変更の頻度が激減するため、それなら固定脚で十分、というのが実情です。買うなら電動をおすすめします。
立ち作業を続けるコツはありますか?
「午前の最初の30分は立つ」のように、時間帯と作業内容をセットで決めると続きやすくなります。メール処理や打ち合わせなど、軽い作業と紐付けるのが定番です。
ただし前述のとおり、立つ習慣が続かなくても「高さが合う」価値は残ります。立つことを買う目的の中心に置かないほうが、満足度は安定します。
ここで紹介した構成は、ビルダーでそのまま組み替えられます。
合計金額を見ながら、自分の予算に合わせて調整してください。
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実際に在宅で仕事をしながらデスクを組み替えてきた立場から、「どういう人には必要で、どういう人には要らないか」を基準に書いています。価格・仕様は執筆時点のものです。
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