
モニター台は数千円で買えて設置も一瞬。だから「とりあえず」で買われがちですが、効く人といらない人がはっきり分かれる道具です。分かれ目は「今の目線が何cm足りないか」。この記事は、モニター台の効果の正体、いらない人の条件、アームとの選び分け、そして定番機の選び方まで整理します。
モニター台の効果は「目線」と「収納」の2つだけ
「作業がはかどる」「肩こりが治る」——曖昧な宣伝文句を2つに分解します。
モニター台がやってくれることは、突き詰めると2つしかありません。①画面を数cm持ち上げて目線を上げること、②台の下に収納スペースを作ることです。
①の目線は、体への効果に直結します。モニターの上端が目の高さより大きく下にあると、頭が前に倒れ、首の後ろと肩で頭の重さを支え続けることになります。画面を適正な高さへ上げると、頭が背骨の真上に戻り、首・肩の負担が減る——モニター台の「効果」と呼ばれているものの実体はこれです。
②の収納は地味ですが、毎日効きます。台の下はキーボードがちょうど収まる高さなので、書き物をするときにキーボードを押し込めば、目の前に一気に作業スペースが生まれます。ノートや書類をよく広げる人ほど、この使い方の頻度が上がります。
効く人 — 目線が3〜10cm足りない人
先に自分の「不足量」を測ってください。話はそれからです。
椅子に深く座って正面を向き、目の高さとモニター上端の位置を比べます。基準は「モニター上端が目の高さと同じ〜やや下」。ここから大きく外れている場合だけ、道具の出番です。
測ってみて不足が3〜10cmの範囲に収まる人が、モニター台がいちばん効く層です。多いのは、23〜27インチのモニターを付属スタンドの最低位置のまま使っているケース。付属スタンドは低めに設計されていることが多く、座面と机の高さが合っている人でも数cm足りないことがよくあります。
不足量の測り方は簡単です。今のモニター上端に指を置き、そのまま視線の高さまで何cmあるかをメジャーで測るだけ。この数字が「買うべき台の高さ」です。
ノートPCを外部モニターに繋がず単体で使っている人は、不足量が15cm以上になることが多く、モニター台では足りません。その場合はノートPCの外付け化ステップで書いたとおり、スタンド+外付けキーボードの構成が先です。
いらない人 — 高さが合っている人・10cm以上上げたい人
「みんな敷いてるから」で買うと、ただの板が届きます。
次のどれかに当てはまる人は、モニター台を買っても効果を感じられない可能性が高いです。
- ① すでに目線が合っている人: 昇降式スタンド付きのモニターを適正位置で使っている人。上げる理由がありません
- ② 10cm以上上げたい人: モニター台の高さは多くが7〜12cm。それ以上は台の重ね置きになり不安定です。大きく動かしたいならアームの領域です
- ③ 画面の前後・左右も動かしたい人: 台は「高さを固定で足す」道具です。日によって画面を引き寄せたい・縦回転したいという要望には応えられません
特に②③に心当たりがある人は、次の章のアーム比較を先に読んでください。
モニターアームとの選び分け
価格差は約3倍。でも「高い方が上位互換」ではありません。
目線を上げる道具としては、モニター台(数千円)とモニターアーム(1〜2万円)が並びます。選び分けの軸は「動かしたいか、固定でいいか」です。
アームは高さ・前後・向きを自由に動かせて、スタンドの設置面積もゼロになります。一方で、取り付けにはVESA対応の確認と天板の条件チェックが必要で、設置のハードルは一段上がります。詳しくはモニターアームを付けるべき人・不要な人にまとめています。
対してモニター台は、置くだけ・工具不要・失敗しようがないのが最大の強みです。「数cm上げたい、位置は毎日同じでいい」という用途なら、アームは過剰投資で、台で十分です。逆に言えば、台で足りる人がアームに行く理由は見た目のスッキリさ以外にありません。
定番はサンワサプライのスチール台
この用途に「高級機」は不要。壊れる部品がない道具は、定番を選べば終わりです。
表示価格は楽天の参考価格です。Amazonでの価格・在庫は遷移先でご確認ください。
サンワサプライのEZ1-MR166は、幅54cmのスチール製モニター台です。モニターと小物を合わせて載せても余裕のある耐荷重で、天面はスチールなのでたわみません。手前に浅い引き出しが付いており、文房具やケーブル類の定位置になります。
モニター台は可動部がなく、壊れる要素がほぼありません。つまり一度買えば買い替えの発生しない買い物です。数百円の差で無名品を選ぶより、寸法と作りが確かな定番を1回で買うほうが合理的です。
買う前に測る3つの寸法
失敗パターンは「高さ不足」より「幅と奥行の見落とし」です。
買う前にメジャーで測るのは3箇所です。
- ① 必要な高さ: 2章で測った不足量。台の高さがこれに近いものを選びます。高すぎる台は逆に顎が上がり、首に別の負担がかかります
- ② モニタースタンドの脚幅: 台の幅より脚が広いと載りません。特に27インチ級は脚幅50cmを超えるものがあり、幅54cmの台でギリギリのことがあります
- ③ 机の奥行: 台の奥行分だけモニターが手前に来る製品もあります。目と画面の距離が近くなりすぎないか、モニターサイズと奥行の記事の基準で確認してください
キーボードを台の下に収納したい人は「台の下の空間の高さ」も確認を。パームレスト付きキーボードや厚めのメカニカルは、低い台の下に入らないことがあります。
よくある質問
モニター台で肩こりは治りますか?
「治る」とは言えません。ただ、画面が低くて頭が前に倒れている人なら、目線を適正にすることで首・肩への負担の原因を1つ減らせます。
肩こりの原因は椅子の高さ・座り方・休憩頻度など複合的です。台だけで解決を図らず、デスク全体の見直しはセットで考えてください。すでに痛みが強い場合は受診が先です。
本を積んで代用してはだめですか?
高さの効果だけなら本でも同じです。まず本や箱で目当ての高さを作って数日試し、効果を実感してから台を買う——という順番はむしろおすすめです。
ただし常用には向きません。紙は荷重で沈み、滑りやすく、地震時の安定性もありません。「試作は本、常用は台」と分けるのが安全です。
デュアルモニターでも使えますか?
幅54cm級の台1台に2枚は載りません。2枚とも上げたい場合は台を2つ並べるか、最初からデュアル対応のアームを検討してください。
メイン1枚だけ上げてサブは低いまま、という段差構成は視線移動が増えるので、2枚を同じ高さに揃えるのが基本です。
ここで紹介した構成は、ビルダーでそのまま組み替えられます。
合計金額を見ながら、自分の予算に合わせて調整してください。
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実際に在宅で仕事をしながらデスクを組み替えてきた立場から、「どういう人には必要で、どういう人には要らないか」を基準に書いています。価格・仕様は執筆時点のものです。
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